2024年10月13日日曜日

宿野かほる「ルビンの壺が割れた」(新潮文庫)



 

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」 

すべては一通のメッセージから始まる――

かつての恋人に届いた突然の連絡。

28年前、結婚を誓い合ったが、その約束は儚く砕け散った過去を持つ。 

フェイスブックで再び交わされる言葉たちは、過去の傷と隠された真実を徐々に暴き出す。

これはメッセージのやりとりだけで進行する異色の物語。

元恋人同士の再会は演劇部時代の懐かしさから始まるものの、やがて二人のやりとりは不穏な空気を帯び、読者を予測不能な結末へと引き込んでゆく。 

本作の最大の魅力は、二人が語らない“本当の思い”がメッセージの行間ににじみ出るその緊張感。

次々と明かされる過去の出来事、そして衝撃のラストに至るまで、読む者はページをめくる手を止められない。

結末は誰も予想できない。

真実にたどり着いたとき、あなたの世界は粉々に砕け散るだろう。 



※魔法のプロンプトは、COPILOTの仕様変更のため、過去のものがみられなくなってしまいました。楽しみにされた方々、申し訳ございません。

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