2024年5月22日水曜日

浅田次郎「終わらざる夏」 (集英社文庫)



 

8月15日を過ぎてなお、本土防衛のために戦った兵士たちがいた。 終戦直後の“知られざる戦い”を舞台に、戦争の理不尽さと人間の尊厳を描き出す。

 1945年の夏、敗戦の見えない日本。 東京の出版社員・片岡直哉は45歳で兵役に召集された。 分からぬままの彼は、医師の菊池、そして歴戦の軍曹・鬼熊と共に美しい北の孤島「占守島」へ向かう。

 孤島で待っていたのは、再び始まった"戦争"の理不尽な現実だった。

 戦闘は進むごとに意味を失い、部隊は食糧も弾薬も底をついていく。 

しかし上官からは「最後の一人までと」の命令が...。 敗戦直後の混乱の中、彼らは何を守り抜かねばならないのか? 

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