広島と長崎で二度被爆した奇跡の生還者の半生。
軍の「正義」に疑問を抱えながら、造船技師として広島に派遣されたものの、そこで被爆。
命からがら長崎に逃げ帰ると、またしても原爆に見舞われてしまった。
戦後は通訳や教師として働き、家族を守りながら原爆症と闘い続けた。
しかし、最愛の息子を原爆症で亡くしてしまう。
93歳になり、ようやく沈黙を破った著者は尋ねる。
「あの戦争とは一体何だったのか」と。
二重被爆という類まれな体験から、戦争の本質と人間の尊厳について、重い言葉を読者に問いかける。
命を削られながらも前を向き続けた一人の男の、心痛む証言。
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