2024年6月13日木曜日

中山七里「嗤う淑女」(実業之日本社文庫)



 

破滅の連鎖は誰にも止められない。 

 美しくも冷酷な少女、美智留。幼い頃から虐待に遭い、歪んだ心を育てていった。 

 一方、いじめに耐え難い思いをした恭子は、従姉妹の美智留に救われる。

しかし、それは地獄の幕明けに過ぎなかった。

美貌と知性を武器に、美智留は人々を虜にしていく。金と名誉に酔い、性的衝動に遊ばれる男女。その手綱を操るのは、微笑を浮かべる淑女の姿をした化け物だった。 

一人を破滅に導けば、次の獲物を求める。美智留の孤独な魂は、血に飢えて満たされない。

やがて、最愛の人すら、その牙から逃れられない。 

0 件のコメント:

コメントを投稿