2024年6月8日土曜日

佐藤 賢一「 カポネ 下」(角川文庫)




アル・カポネとエリオット・ネスの確執を描いた物語。

 エリオット・ネスは、賄賂を受け入れない"アンタッチャブル"として知られる正義の人物。

 しかし、実態は酒浸りの自信家で、恋人を妊娠させながら責任を放棄しようとする保険調査員にすぎなかった。

そんな彼に運命の転機が訪れる。司法省禁酒局の特別捜査官に抜擢されたのだ。 

 一方のカポネは、時に義賊的な一面を見せつつも、圧倒的な存在感を放っていた。"聖ヴァレンタイン デー虐殺事件"でライバル組織を一掃し、勢力を無尽蔵に拡大していった。

 改造ショットガンを手にしたネスは、カポネの本拠地へと踏み込む。そして、酒に狂わされた2人の人生が、劇的に交錯していく。 

 栄光と失墜、愛と裏切り、人間の本質が渦巻く極限のドラマ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

手塚 正己「海軍の男たち 士官と下士官兵の物語 」(PHP研究所)

著者はドキュメンタリー映画「軍艦武蔵」の制作を通じて旧海軍軍人との面談を重ねてきた。 本書は太平洋戦争中の日本海軍の生活を克明に記録し、軍の絶対的なヒエラルキーや過酷な訓練の実態を描く。 鉄拳制裁や精神注入棒などの暴力的な訓練方法や、それに耐えた元海軍軍人たちが「もう一度海軍...