2024年6月9日日曜日

安達正勝「死刑執行人サンソン ―国王ルイ十六世の首を刎ねた男」(集英社新書)



 

フランス革命で国王ルイ16世を処刑した死刑執行人サンソン一家の実録。
シャルル=アンリ・サンソンはパリの死刑執行人を代々継ぐ一家に生まれた。

熱心なカトリック教徒でありながら、彼は死刑廃止論者でもあった。

革命の渦中、国王処刑を命じられた。 シャルルは代々の死刑執行人一家に生まれながら、熱心な死刑廃止論者でもあった。

死刑執行人の職務と個人の良心の間で、彼は深い葛藤を抱えていた。

ギロチン発明への関与や「人道的処刑」の模索にも及ぶ、驚くべき実話が続く。

 人道と職務の間での苦悩に迫る重要な記録であり、読了後は残酷な処刑制度を問い直す契機ともなるだろう。 

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