2024年6月5日水曜日

シュロモ・ヴェネツィア 「私はガス室の『特殊任務』をしていた 知られざるアウシュヴィッツの悪夢」 (河出文庫)



ある戦慄の「特殊任務」を強要されたユダヤ人の体験談。 

それはアウシュヴィッツ収容所のガス室で殺されたユダヤ人の同胞を、自らの手で焼却炉へと運び、清掃も行うという任務であった。 

 日々恐怖に怯えながら過ごすアウシュヴィッツでの生活や業務の実態が生々しく描かれている。 想像を絶する残虐行為に、彼らのもたらされた心的外傷は計り知れない。 

 著者は、この世の地獄を目に焼き付けた。後世に伝えるために勇気をもって証言した。

過ちを繰り返さないために。

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