2024年7月31日水曜日

小林 多喜二「蟹工船」 (新潮文庫)



 

それは人間の魂を食い尽くす労働の地獄絵図だった。 

「おい、地獄さ行ぐんだで!」 

この一言が、観る者の心臓を鷲掴みにする。

 舞台は、法の届かぬオホーツク海。 

そこには、人間性を完全に奪われた労働者たちの悲鳴が渦巻いていた。 

血と汗にまみれた甲板。 絶望の淵で呻く仲間たち。 そして、彼らを見下ろす冷酷な監督の目。 

 しかし―闇夜に一筋の光が差し込む。 

それは、労働者たちの心に芽生えた「反逆」の炎だった。 

彼らは立ち上がる。 奪われた尊厳を取り戻すため、 命を賭して闘うのだ。 

この物語は、決して過去の遺物ではない。 今を生きる私たちへの警鐘でもあるのだ。 

著者・小林多喜二は、この作品発表からわずか4年後、 特高警察の拷問により、29歳で命を落とした。

 彼の血潮は、「蟹工船」の一字一句に染み込んでいる。 


※プロンプト秘話※

「1920年代、荒波が激しいオホーツク海に浮かぶ巨大な貨物船。周囲は不気味な雰囲気の荒模様。これをイラストにして下さい。」

この甲板でカニ漁をしている漁師たちの姿を描いてください。彼らの表情は暗い。

日本人に描き直して下さい


なぜか巨大なカニが。。。





2024年7月30日火曜日

遠藤 周作「王妃マリーアントワネット上下」(新潮文庫)



 

運命の糸に翻弄される一人の少女。

華麗なるヴェルサイユの宮殿に、その悲劇の幕が上がる―

 14歳で皇太子妃となったマリー・アントワネット。

黄金の髪が陽光に輝き、無垢な瞳には希望が満ちていた。

すべてを手にしたかに見えた彼女。

だが、運命の女神は冷酷な微笑みを浮かべていた... 

絢爛豪華な宮廷でアントワネットは、まるで一輪の薔薇のように咲き誇った。

だが、その花びらは次第に血に染まっていく― 

迫り来るフランス革命の嵐。

彼女を取り巻く人々の思惑が渦巻く。

孤児マルグリット、背徳のサド侯爵、愛に生きるフェルセン伯爵、そして野心家ミラボー。

激動の時代、アントワネットの運命の歯車が狂い始める。


※プロンプト秘話※
西洋史の肖像画はレオナルドAIが秀逸。



フランス革命前後のサド侯爵の肖像画を描いて

結果

同じサド侯爵でフランス革命前とフランス革命後とかき分けているらしい。
ズラのあるなし?別人に見えるから、別の人として取り扱うことに。

少女の絵もほしい。
「フランス革命当時の孤児。貧しくて質素な服を着ている。」
なんか気持ち悪いのでてきた。

ギロチン台はNGワード。サンソンのときに作ったイラストを転用。

youtubeでのサムネにあたる画像はVREWが生成してくれたもの。ここは手入れせずにそのまま使用。VREWの実写風な絵はどこか怪しい東洋人だったり、アバズレ感のある王妃になりがち。その点、マリー・アントワネットは上出来だった。







2024年7月29日月曜日

夕木 春央「方舟」(講談社文庫)



 

9人の運命が、この密室で交錯する―

 息をのむほどの緊張感。

心臓の鼓動が聞こえるほどの静寂。

 孤立した山奥。地下に眠る巨大建造物「方舟」。 

そこに閉じ込められた9人の男女。 

突如、大地を揺るがす轟音。崩れ落ちる岩。そして…忍び寄る水の音。 

絶望的な状況下で響き渡る悲鳴―誰かが命を落とした。

 生き残るのは8人だけ。 

犠牲になるのは誰だ?

殺人者は我々の中にいる。 

人間の本性が剥き出しになる極限状態。

 疑惑の眼差し。

裏切りの影。

そして明かされる衝撃の真実。 

刻々と迫る水位。

高まる狂気。

残された時間はわずか7日。

 生存への執着と良心の呵責が激突する。 

「9人の中で、死に値するのは誰だ?」 


※プロンプト秘話※
「9人の若い日本人の男女が洞窟の広い場所で立ちすくんでいる。それぞれピクニックの格好で手には懐中電灯、背中にはデイバッグを背負っている姿を描いてください。」




思い込みで方舟は洞窟だと思っていた。。。

慌ててclipdropで人物だけを切り抜いて、背景を別の廃墟のものを準備する必要あり。

「廃墟の一室。コンクリートの床。古びている。暗い」

VREWで合成
雑コラだけど、雰囲気出たからいいか。




2024年7月28日日曜日

中山七里「ワルツを踊ろう」 (幻冬舎文庫)



音楽が響き渡る。それは美しく、そして哀しい「美しく青きドナウ」のメロディー。 

20年ぶりに故郷に戻った溝端了衛。

かつてのエリートは今や全てを失い、最後の望みを抱いて帰郷した。

だが、彼を待ち受けていたのは、想像を絶する現実だった。

 9人しか残っていない限界集落。携帯電波すら届かない閉鎖的な世界。

そして、冷たい視線を向ける村人たち。 

了衛は必死に村の再生を試みる。

愛するワルツの力で人々の心を開こうとするが、その行く手には次々と不可解な出来事が立ちはだかる。 

愛犬の不審死。村八分。そして、誰もが容疑者となる衝撃の展開。 

彼の奮闘は報われるのか。それとも、全ては徒労に終わるのか。

 心を震わせる音楽と共に紡がれる、驚愕のどんでん返し。

それは救いなのか、それとも破滅への序曲なのか。


※プロンプト秘話※
主人公が若い日本人男性。彼の登場から。

「若い日本人男性。30代。彼が車で田舎道を運転している姿を描いてください」

ラストを知っているとこの笑顔は。。。いいねぇ。


ロケーションをイメージさせるものがほしい。
「老人男性2名、老人女性2名、中年男性3名、中年女性2名全員9名の全体写真を実写風に描いてください。場所は公民館の前。周囲は山に囲まれた山村。」
人数、ちゃんと守ってくれよ。仕方ないから、編集で口減らし。


住民との交流場面
「この若い男性は困った顔をしている。彼を取り囲む老人男性、老人女性たちが厳しい表情で問いただしている姿を描いて。」


これを交流と呼ぶのかどうかはおいといて。

ボツにしたサムネ。このブログ、あまり見られていないからこっそりおいておく。
ネタバレ注意。






2024年7月27日土曜日

逢坂 冬馬 「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)




戦火に包まれた1942年のロシア。 

15歳のセラフィマの運命が、一瞬にして変わる瞬間が訪れる。

 轟音と共に村を襲ったドイツ軍。

愛する母の悲鳴。

村人たちの絶叫。

そして、すべてが静寂に包まれる...。 

死の淵で瞬く一筋の光。赤軍の女性兵士イリーナの手が差し伸べられる。

「生きるか、死ぬか」。その問いに、セラフィマの心に復讐の炎が燃え上がる。 

母を殺した敵への憎しみ。母の遺体を焼いたイリーナへの怒り。

その炎は、彼女を狙撃の天才へと変貌させていく。 
鋭い眼光。精密な動き。そして引き金を引く瞬間の冷徹な決意。セラフィマは、死神と呼ばれるまでに成長する。

 しかし、戦場は容赦ない。

仲間の断末魔。

敵の叫び声。

血に染まる雪原。

彼女の心は、次第に揺らぎ始める。 

スターリングラードの戦場で、セラフィマは気づく。

本当の敵は誰なのか。そして、自分の心の奥底に眠る、人間性の光に...。 


※プロンプト秘話※
サムネの少女、イメージ通り。作るのに手間はかからなかった。
とはいえ、youtubeのガイドラインに引っかからないように慎重に言葉を選ばねば。

copilotで「Please draw Stalingrad during World War II.」
第二次世界大戦当時のスターリングラードを描いて。

結果

続いてはスナイパーがほしい。
建物の屋上にいる女性狙撃兵を描いてください

結果

完ぺき。

続いては、同僚たちが叫んでいる姿。もちろん歓喜の叫びではなく絶叫のほうがほしい。
1940年代の兵士たちが叫んでいる姿を描いて下さい
結果
明るすぎる。そうではない。
もっと悲壮感のある表情で男性だけを描いてください

結果
表情はいいのだが、どう見てもロシア人ではない。帽子は隠しておくか。
「あちゃー」な感じはまあいいとしよう。

実際のVREW編集画面

編集次第でどうにでもなる。

















2024年7月26日金曜日

大沢 在昌「北の狩人 (上)」(幻冬舎文庫)




 

新宿の闇に、北の風が吹き荒れる──。

 静寂を切り裂く足音。獣のような野性的な肉体を持つ謎の男が、新宿の街に姿を現した。

その眼には、過去の影と復讐の炎が宿っている。 

 男は、10年以上前に姿を消した暴力団の情報を探り始める。

その行動に、新宿署の刑事・佐江の直感が鋭く反応する。

 果たして、この北からの来訪者の正体とは? 彼が追い求める真実とは? そして、新宿の地下世界に潜む闇の正体とは? 

 緊迫感溢れる展開、鋭い洞察力で描かれる人間ドラマ。

 新宿という都市の光と影、そこに生きる人々の葛藤と情熱が描かれる。 


※プロンプト秘話※
主人公はブルース・リーのようなしなやかなマッチョをイメージ。
「20代日本人男性のスポーツマンタイプ。彼は闘争本能に駆られ険しい目をしている。彼の姿をドアップで描いてください」


いいねぇ

マルボウの刑事もほしい。ベテランの中年刑事のイメージ。
中年日本人男性がスーツを着て都会の繁華街を歩く姿。目つきが鋭く、観察力に優れた男性を描いてください

ヤーさんもほしい。歌舞伎町を練り歩くイメージ。
「暗黒街の男たち。日本人たちの姿を描いてください。」
なんか違う。
レオナルドAIにお願いしてみた。
マトリックスの追っ手みたいに、わんさかし過ぎだがよしとしよう。



2024年7月25日木曜日

小松 左京 「復活の日」 (角川文庫)



 

「人類滅亡カウントダウン開始...70時間」

 吹雪が猛る静寂のアルプス山中、一機の飛行機が轟音とともに墜落する。

引き裂かれた機体から漏れ出すのは、恐るべき生物兵器MM-88。

人類の運命を永遠に変える瞬間だった。 

春の訪れとともに、悪夢が始まる。

街角で、オフィスで、家庭で...突如として人々が倒れ始めた。心臓発作、全身麻痺...誰もが恐怖に震え、絶望の淵に立たされる。 

わずか半年。35億の命が消え、地球は生命のない惨劇の舞台と化す。

生き残ったのは、極寒の地・南極と海底深くにいた者たち。たった1万人。 

彼らの目に映るのは、文明の廃墟と静寂に包まれた地球。そこから人類の壮絶な生存競争が始まる。

 だが、運命はさらなる試練を突きつける。核ミサイルの誤発射という新たな脅威。

人類に未来はあるのか?最後の希望の灯火を守れるのか?

 極限状態で露わになる人間の本性。愛と憎しみ、勇気と臆病、利他と利己...。 

小松左京が問いかける、人類存続をかけた壮大な物語。


※プロンプト秘話※
パニックものらしさがほしい。

「人々が恐怖の表情で病院に駆け込む姿をえがいてください」



核ミサイルはNG。模型なら通るかも。。。通った♪

「ミサイルの模型、発射台、管制塔を実写風にえがいてください。ミサイルの模型の一機だけをドアップで描き直してください。迫力あるアングルで他にも描いてください」



2024年7月24日水曜日

高嶋 哲夫「首都襲撃」(PHP研究所)



 

平和な日常が、一瞬で地獄と化す―。 

高嶋哲夫が放つ、戦慄のクライシス小説『首都襲撃』。 

かつて官邸襲撃の悪夢を生き抜いた夏目明日香。彼女の心に刻まれた傷が癒えぬまま、再び総理付きSPとして立ち上がる。 

そして運命の日が訪れる。 世界を震撼させた連続テロ。

その報復として、新崎総理が下した決断―「テロ撲滅世界会議」の東京開催。 

しかし、その瞬間から東京は、テロリストたちの餌食と化していた。 

轟音が六本木の街を揺るがす。悪夢の幕開けだ。 

明日香たちは必死に抗う。だが、なぜか敵は常に先手を打つ。

まるで、誰かが内部から情報を漏らしているかのように。

 裏切り者は誰だ?時間がない。刻一刻と迫る脅威。 

東京の街が戦場と化す中、明日香の闘いが始まる。 

この物語は、私たちに突きつける。

 本当に日本は安全なのか? 

 私たちの平和は、果たして守れるのか? 


※プロンプト秘話※

今回は背景のプロンプト。ひねりも何も無い。
「官邸の廊下を実写風に描いてください」

結果


「夜の皇后と光る六本木ヒルズ周囲の町並みを描いてください」
煌々とと書きたかったが間違えた。

結果

東京駅周辺が描かれたからまあいいか。

さらに女性SPを別で用意
「髪の毛をポニーテールに結んだ日本の女性SPが黒のスーツを着てモデルガンを構えている姿。場所は官邸」
結果

そして、いつものclipdropの背景除去
レニクラっぽい兄貴が目印

素材完成

vrew上でレイヤーの順序を変えて

完成。B級感は否めないが。。。。





2024年7月23日火曜日

貴志祐介「新世界より」 (講談社文庫)



 

静寂に包まれた1000年後の日本。

神栖66町で響く子どもたちの無邪気な笑い声。

しかし、その笑顔の裏に潜む、底知れぬ闇の存在を誰が想像しただろうか。 

 12歳の渡辺早季。彼女の好奇心が、禁断の扉を開いてしまった瞬間、平和な日常は一瞬にして崩壊する。

人類に与えられた「神の力」。その力が秘める恐怖の真実が、早季たちの魂を引き裂いていく。 

 記憶を操られ、危険因子として排除される仲間たち。

町の外には、想像を絶するグロテスクな生物が蠢く未知の世界。

そして突如として訪れた、血に染まる夏祭りの夜。

悲鳴と絶望に包まれた故郷を後にする早季たち。

彼らの前に立ちはだかるのは、1000年の歴史が隠蔽してきた凄惨な真実。

そして、人類の存亡を賭けた壮絶な戦いの幕が上がる。 

 愛する者を守るため、真実を知るため、生き抜くため。早季たちの魂が、激しく、痛ましく燃え上がる。 希望と絶望、愛と憎しみ、光と闇。

相反する感情が激しくぶつかり合う、究極のサバイバルストーリー。


※プロンプト秘話※
ガイドラインに引っかからないように慎重に素材つくり。

サムネに使ったのはこんな感じ。
「中学生ぐらいの日本人の女の子が走っている姿を描いて下さい」

結果

「背景を土まみれの洞窟にしてください」
結果
ぽくなってきた。




もうひとつ。

夏祭りの凄惨な場面を表現するために作った画像のプロンプト

「神社の境内で巫女さんがケチャップまみれになっている姿を描いてください」
結果
モザイクかけるからいいか。
モザイクかけるならコチラの無料サイト


画像生成AIの結果はガチャなのです。





2024年7月22日月曜日

山田 太一「岸辺のアルバム」 (P+D BOOKS)

 







1970年代、高度経済成長の波に乗る日本。

その中で、ある一家の運命が激しく揺れ動く――。 

モーレツサラリーマンの夫、優しい母、才気煥発な娘、そして内向的な息子。

一見、理想的な家族の日常。しかし、その笑顔の裏には、誰もが想像もしない闇が潜んでいた。 

そして、ある日突然鳴り響いた1本の電話。その瞬間から、彼らの人生は急転直下。

家族の絆が、音を立てて崩れ始める。 

数々の危機の中で、家族の本当の姿が浮かび上がる。 

この物語は、私たちに静かに、しかし強く問いかける。

「幸せ」とは何か。


※プロンプト秘話※
今回は四人の視線を並べるシーンで使った、clipdropのイメージアップスケーラーをご紹介。無料では×2しか使えないが、youtubeショート動画を作るにあたっては支障がないクオリティとなっていた。




アップロードするだけでこのくっきりさ。色々使えて、おすすめです。


2024年7月21日日曜日

アンナ・ゼーガース「第七の十字架(上)」 (岩波文庫)


1937年、ナチスの暗黒に包まれたドイツ。

絶望の淵から自由を求めて 強制収容所からの前代未聞の大脱走を図る。

怒りに震える収容所長の叫び声が響く。

「7本の十字架に、7人の逃亡者を磔にせよ!」

死の影が迫る中、7人の運命が交錯する。

自動車工のゲオルク、彼の仲間たち。そして彼らを追う者たち。

彼らの心の奥底で激しくうねる、 恐怖と希望、裏切りと連帯。

息もつかせぬ逃亡劇の果てに、彼らを待ち受けるものは? 

自由か、それとも十字架の魔の手か?

 この小説は、単なるサスペンスを超えた魂の叫びだ。

ナチスの恐怖政治から実際に逃れた作家、アンナ・ゼーガースが紡ぎ出す。


※プロンプト秘話※
毎度おなじみのやつ。
「坊主頭、青の縦縞のパジャマを着ている格好をした7人の男性たちが走っている姿を描いてください」
イメージと違う。

坊主頭、青の縦縞のパジャマを着ている格好をしたやせ細った7人の男性たちが走っている姿を描いてください。どんよりとした雲、不穏な雰囲気。
レオナルドAIにお願いしてみた
後ろ姿をお願いしたら。。。
だんだん怖くなってきたからやめにしよう。








手塚 正己「海軍の男たち 士官と下士官兵の物語 」(PHP研究所)

著者はドキュメンタリー映画「軍艦武蔵」の制作を通じて旧海軍軍人との面談を重ねてきた。 本書は太平洋戦争中の日本海軍の生活を克明に記録し、軍の絶対的なヒエラルキーや過酷な訓練の実態を描く。 鉄拳制裁や精神注入棒などの暴力的な訓練方法や、それに耐えた元海軍軍人たちが「もう一度海軍...