2024年6月19日水曜日

有吉 佐和子「華岡青洲の妻」 (新潮文庫)



 

江戸時代に全身麻酔手術に挑んだ天才外科医とその妻の壮絶な物語。
麻酔剤「通仙散」を完成させるため、母と妻が自らを人体実験に捧げた。 

江戸時代後期、紀州の村で起きた壮絶な愛の争い。
医者の業績の陰に隠れた、青洲の愛を争う嫁と姑の熾烈な対立があった。 

息子の全身麻酔手術の成功を願い、 美しい母は自らを人体実験に捧げた。 

一方、武家出身の妻は夫の名声を守るため、 姑との確執に身を投じていく。

美談の裏で渦巻く、女性たちの熾烈な愛の行方は?

 全身麻酔手術の祖、華岡青洲の波乱に満ちた人生と 封建社会の中で生きる女性たちの激しい葛藤と、家族との絆を描き出す。

0 件のコメント:

コメントを投稿

手塚 正己「海軍の男たち 士官と下士官兵の物語 」(PHP研究所)

著者はドキュメンタリー映画「軍艦武蔵」の制作を通じて旧海軍軍人との面談を重ねてきた。 本書は太平洋戦争中の日本海軍の生活を克明に記録し、軍の絶対的なヒエラルキーや過酷な訓練の実態を描く。 鉄拳制裁や精神注入棒などの暴力的な訓練方法や、それに耐えた元海軍軍人たちが「もう一度海軍...