2024年6月26日水曜日

吉村 昭「新装版 関東大震災」 (文春文庫)



 

1923年9月1日、関東を襲った未曾有の大震災。 

 瞬く間に都市は地獄絵図と化した。 地鳴りとともに揺れる大地。

崩れ落ちる建物。そして、街を飲み込む火災旋風。 

逃げ惑う人々の悲鳴が響き渡る中、20万もの命が一瞬にして奪われた。 

 しかし、自然の猛威はそれだけではなかった。

人々の恐怖と混乱が、さらなる悲劇を生み出す。 根拠のない噂が飛び交い、自警団による無辜の人々への暴力へと発展。人間の闇の一面が露わになった。 

 自然災害から身を守るだけでなく、いかにして人としての理性と思いやりを失わないか。

 この大災害を通して、「災害に強い都市づくり」の重要性を再認識させる。

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